2010年2月12日
部屋を持ちながら自らは住んでいない「不在所有者」には「居住所有者」より分譲マンションの管理費の額を上乗せしていいかどうかが争われた訴訟の上告審裁判で、
最高裁第三小法廷は1月26日、「上乗せは許される」との判断を示しました。
管理組合の役員を引き受けない不在所有者と居住所有者との不公平感を和らげる手段として認められました。
投資目的でマンションを所有している方は、どう対処すればいいのでしょうか?
訴訟は三つあり、いずれも舞台は1970年前後に分譲された大阪市北区のマンション(868戸)です。
所有者が住まない部屋が年々増えて2004年頃には約170戸に上り、役員を務めにくい70歳以上の高齢所有者も300人以上になりました。
「負担が偏っている」という不満が出るようになり、管理組合は同年3月の総会で不在所有者だけから「協力金」を取ることを決定しました。
部屋を第三者に賃貸している一部の不在所有者が拒否したため、組合側が提訴しました。
管理組合費は月額1万7500円(一般管理費8500円、修繕積立金9000円)。
上告審では、これに協力金として月額2500円を上乗せできるかが争われました。
役員には06年から報酬も支払われており、協力金はこの原資にも充てられています。
判決で第三小法廷は「居住所有者だけが役員となってマンションの保守管理に努め、不在所有者はその利益のみを享受していた」と指摘しています。
「管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべきだ」として、金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的だと認めました。
そのうえで、上乗せ額が管理組合費の15%とさほど高額ではないことや、大半の不在所有者が支払いに同意していることなどを考慮します。
「がまんすべき限度を超えているとはいえない」と判断し、支払を拒んでいる不在所有者側に未払い分を納めるように命じました。
「協力金」が必要となる背景には、管理組合の役員の担い手不足があります。
国土交通省は、管理費や修繕積立金の負担義務や使い方などを定める管理規約の見本を示していますが、不在所有者の協力金の規定はなく、徴収するかどうかは各管理組合の判断に委ねられています。
同省の調べでは、全国にあるマンションの部屋の世帯主で60歳以上の人は1980年に8%だったが、2008年には39%と増加しています。
賃貸の部屋の比率が2割を超える管理組合も全体の3割近くに上ります。
日本のマンション管理士会連合会は、築年数の古さに比例して所有者の高齢化と部屋を賃貸に出す不在所有者の比率増加が進み、結果的に役員の担い手が足りなくなると指摘します。
一方で、大半の入居者は管理費を安く抑えたいために組合の運営資金は不足がちになっています。
同連合会は今回の判決が呼び水になって、不在所有者から協力金の徴収を始める動きが加速すると見ています。
マンションの役員経験者らでつくるNPO法人・全国マンション管理組合連合会によると、協力金を徴収しているのは100戸以上の大規模な建物が多いそうです。
谷垣千秋事務局長は「画期的な判決。協力金には、部屋を貸す所有者が増えて管理組合が空洞化するのを防ぐ目的と、役員をやらずに済むことへのペナルティーの意味がある」と話しています。
(朝日新聞 2010年1月27日(水曜日)より抜粋)
「住まずにマンションの利益のみを享受している」マンション投資家には厳しい判決です。
どうすればいいのでしょうか。
「居住所有者」の居るマンションを投資目的で所有するからこのような問題に当ってしまうのです。
1棟すべてが投資目的のマンションを購入すれば問題は解決です。
全部屋が「不在所有者」になるのですから。