「総合収益利回り」は、より少ない自己資金で高い運用効率(いわゆるレバレッジ効果)を目指す際の判断に利用されるものです。
しかし、これは一方で借入金を増やすことを意味するため、金利上昇や予定した賃貸収支が悪化した場合、返済不能に陥るリスクも増大します。
そこで、借入金を賃貸収支に見合った範囲に抑える判断が必要ですが、そのチェックに利用されるのがDCR(Debt Coverage Ratio/借入金償還余裕率)です。
DCRは事業収入に対する借入償還額の比率を示すもので、一般的には1.5以上が健全な目安とされます。
このリスク判断の指標であるDCRと、総合的なリターンを示す総合収益利回りをクロスすることでリスク・リターン分析が可能となります。
実際の賃貸事業における経営診断では、個々の物件に即したシミュレーションが行われますので、与条件は千差万別です。特に「総合収益利回り」の算定では、保通期間の賃貸収支と売却時の残価率が大きな変動要因になります。
金利や返済期間によっても結果は大きく変化しますので、慎重な条件設定が必要です。
不動産市場の潮目が大きく変わるなかで、将来にわたるインカムゲインとキャピタルゲインを適切に見通すプロの目が今まさに求められていると言えます。
借入リスクを冷静に捉えた的確な条件設定によるシミュレーションが、投資判断には有効となります。
個々の物件選択においても、こうしたマクロ市場トレンドを見据えた知見が重要になっていると言えるでしょう。